大阪障害者センター 壁ニュース

厚労省 令和2年度概算要求を提案!~その要求内容は?~

「壁ニュース」テキスト版 2019/09/04

令和2年度概算要求を提案!
~厚労省・障害保健福祉関係の要求は?~

 厚労省は、8/29平成31年度概算要求を公開しました。

【厚労省全体】
○31兆9641億円→32兆6234億円(+6593億円)

○団塊ジュニア世代が?齢者となり現役世代の減少が進む2040年頃を見据え、誰もがより長く元気に活躍でき安心して暮らすことができるよう、人生100年時代に対応した全世代型社会保障の構築に取り組むとともに、成長と分配の好循環の拡大を図るため、以下を柱として重点的な要求を行う。
Ⅰ.多様な就労・社会参加の促進Ⅲ.安全・安心な暮らしの確保等
Ⅱ.健康寿命延伸等に向けた保健・医療・介護の充実
Ⅲ.安全・安心な暮らしの確保等
 この中では、○誰もが働きやすい社会の実現に向けた働き方改革○全ての人々が意欲・能力をいかして活躍できる環境の整備○地域包括ケアシステムの構築○健康寿命延伸に向けた予防・健康づくり○生産性向上に向けた医療・福祉サービス改革○子どもを産み育てやすい環境づくり○全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り高め合う地域共生社会の実現

【令和2年度障害保健福祉部概算要求の概要】
◆予算額:1兆9,896億円 2兆1,475億円 1, 579 億円、+7.9%

【主な事項】
※括弧内は元年度予算額
■良質な障害福祉サービス、障害児支援の確保 (1兆5789 億円 1兆4542 億円)

■地域生活支援事業 等の拡充 【一部新規】 (571億円 (495 億円)
※障害福祉の仕事の魅力発信【新規】:15百万円及び地域生活支援事業 の内数
※障害福祉分野におけるロボット等導入支援 3.8億円(15百万円)
※障害福祉分野におけるICT導入支援モデル事業 【新規】 2.0億円
※障害児施策におけるインクルーシブな支援の推進【新規】地域生活支援促進事業のうち 19億円(児童発達支援センターにソーシャルワーカーを配置)
※障害者施策に関する調査・研究の推進 8 億円(5億円)

■障害福祉サービス提供体制の基盤整備 (80億円 (69億円)
※臨時・特別の措置分を除く

■聴覚障害児への支援など障害児支援の推進 【一部新規】(24億円 20億円)

■芸術文化活動の支援の推進 【一部新規】 (46億円(30億円)

■視覚障害者等の読書環境の向上 【一部新規】(53億円38億円)

■精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築 【一部新規】 (10億円(5.7億円)
※)心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に関する医療提供体制の整備
の推進

■発達障害児・発達障害者 の支援施策の推進【一部新規】 (5.2 億円 (3.8億円)
※発達障害に関する理解促進及び支援手法の 普及 【一部新規】1.5億 円(1.4億 円)

■障害者に対する就労支援の推進 【一部新規】(1.7億円 (1.4億円)
※工賃向上等のための取組の推進:地域生活支援 促進事業のうち 3.7 億円 2.9億 円)
※林・水産業等向け障害者就労のモデル事業の実施【新規】 1.5億円

■依存症対策の推進 【一部新規】(12億円 (8.1 億円)

 基本は、前年度施策を充実させる方向とされており、全くの新規の施策等は十分検討されているわけではありませんが、「全世代型社会保障」をうたってきた、制度改革の中で、障害の特性に合わせた支援策については、どのような検討や方向性が打ち出されてくるのか等も含め、まだまだ不透明な内容が山盛りの状況といえます。

 また、8/26には、厚労省内の「厚生労働省改革若手チーム」が「厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言」(生産性の徹底的な向上のための業務改善・意欲と能力を最大限発揮できる人事制度・「暑い、狭い 、暗い、汚い」オフィス環境の改善)を行うなど内部での働き方改革の動きもある中、こうした「働き方改革」等の政策の実効性などがさらに検証される必要がありそうです。