障害者福祉サービスの行方は?~障害福祉サービス等報酬改定検討チーム課題・論点整理④!~
どうなる障碍者福祉サービスの行方?
~障害福祉サービス等報酬改定検討チーム課題・論点整理④!~
10/12、17回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(オンライン会議)」を開催しました。
今回は、主として「入所関係と居宅関係」の内容が紹介されました。
報告資料での課題等は以下の通りです。
■障害児入所施設に係る報酬・基準
1.福祉型障害児入所施設
【論点1】人員配置基準の見直し(1)
○ 被虐待児の増加に伴いケアニーズの高い入所児童をより専門的できめ細かく支援する観点、子どもとして適切な愛着形成を図る観点から質・量共に強化が必要であることから、現行の職員配置基準を見直すことについてどう考えるか。
○ その際、「障害児入所施設の在り方に関する検討会報告書」においては、愛着関係の形成に配慮して児童の年齢に応じた配置基準となっていることを踏まえ、同様の仕組みを検討すべきとされている点についてどう考えるか。
◇検討の方向性
(人員基準引き上げに関する基本報酬の見直し)
○ 主として知的障害を入所させる施設(4.3:1)、主として盲児又はろうあ児を入所させる施設(乳児又は幼児4:1、少年5:1)の現行の職員配置について、ケアニーズの高い入所児童に対して、より専門的できめ細やかな支援を行うという質の向上を図る観点から4:1に見直し、合わせて基本報酬の引き上げを検討してはどうか。
○ 特に幼児期においては愛着形成を図る重要な時期であるが、全国の0~5歳の入所児童数が85人(※)という実態も踏まえた場合、乳幼児をさらに年齢別の配置基準とするよりも、加算で対応することとしてはどうか。
【論点2】小規模グループケア(サテライト型)について
○ 平成28年改正の児童福祉法や、社会的養育ビジョンにおいて、児童養護施設等においても小規模化や地域分散化が求められており、福祉型障害児入所施設においてどう考えるか。
◇検討の方向性
○ 建物自体が本体施設から分離した場所(外部のアパート、法人所有の土地内の別建物等)で、小規模な生活単位を設けて支援をした場合(サテライト型)の評価について検討してはどうか。
【論点3】医療的ケア児の受け入れ体制について
○ 福祉型障害児入所施設で医療的ケア児を受け入れる体制について、どのように考えるか。
◇検討の方向性
○ 看護職員配置加算(Ⅱ)の判定スコアについて、厚生労働科学研究において開発された医療的ケア児のための判定基準案を導入することにしてはどうか。
○ 判定スコア8点以上の障害児の数が5以上であることが医療的ケア児の受け入れが進まない要因とも考えられるため、障害児通所支援と同様に、算定要件の見直しを図ってはどうか。
2.医療型障害児入所施設
【論点1】主に肢体不自由児を対象としている医療型障害児入所施設の報酬について
○ 主に肢体不自由児を対象としている医療型障害児入所施設に入所している重症心身障害周辺児など支援度が高い入所児童の報酬の取扱い等についてどう考えるか。
◇検討の方向性
(重度重複障害児加算について)
○ 主に肢体不自由児を対象にしている医療型障害児入所施設においては、重度障害児支援加算の条件に該当し、かつ3種類以上の障害を有する場合に重度重複障害児加算が算定できることとなっている。
○ 入所している肢体不自由児の状態像は幅広いため、一律に基本報酬を引き上げる方法ではなく、重度重複障害児加算の要件変更を行い、複数(2以上)の障害を有する肢体不自由児を支援した場合に評価をすることとしてはどうか。
【論点2】強度行動障害児特別支援加算の適用範囲について
○ 診療報酬上で評価されている強度行動障害入院医療管理加算は強度行動障害スコアの他に医療度判定スコアを判定基準に用いており、経験を有する医師、看護師等による臨床的観察を伴う専門的入院医療が提供されることを評価しているものであるため、福祉的支援の強化の観点はカバーされていない点を考慮し、新たに強度行動障害児特別支援加算を適用することについてどのように考えるか。
◇方向性
(強度行動障害児特別支援加算)
○ 強度行動障害の支援として、医療的アプローチとともに、入所児童の発達保障の観点から環境調整をはじめとした福祉的アプローチの必要性があることから、福祉的支援の強化の観点より、強度行動障害児特別支援加算を医療型障害児入所施設においても算定できるようにしてはどうか。
【論点3】小規模グループケア加算の要件について
○ 医療型障害児入所施設における小規模グループケア加算の設備要件についてどのように考えるか。また、指定発達支援医療機関における小規模グループケア加算の算定についてどのように考えるか。
◇方向性
○ 医療型障害児入所施設における小規模グループケアの促進を図る観点から、台所・便所の設置は不要としてはどうか。また、指定発達支援医療機関においても算定要件を満たした場合に当該加算を算定できるようにしてはどうか。
3.障害児入所施設共通
【論点1】重度障害児の小規模グループケアのあり方について
○ 現在、重度障害児支援加算について、小規模化を進めることを前提とした施設要件とはなっていない。重度障害児入所棟における小規模化についてどのように考えるか。
◇方向性
○ 令和2年度障害福祉サービス等報酬改定検証調査障害児入所施設の支援の実態調査の結果も踏まえつつ、今後、重度障害児入所棟の在り方を含め、重度障害児の小規模化のあり方について必要な検討を行ってはどうか。
【論点2】ソーシャルワーカーの配置について
○ 地域移行に向けた支援として、入所児童とその家族のニーズを把握・発見し、生活上の課題の解決に向けて必要な支援を有機的に結びつけるためにはソーシャルワーク機能は重要であるため、ソーシャルワーカーの配置についてどのように考えるか。
◇方向性
○ 施設入所の際や退所して地域へ移行する際に家庭や地域と連携して支援を専門に行うソーシャルワーカーを専任配置した場合に報酬上、評価してはどうか。
○ その際、配置されるソーシャルワーカーについて、どのような要件が考えられるか検討してはどうか。(社会福祉士など)
■居宅介護に係る報酬・基準
【論点】居宅介護職員初任者研修課程修了者であるサービス提供責任者に対する評価
○ 居宅介護職員初任者研修課程修了者がサービス提供責任者である取扱いの廃止に向けた段階的な対応についてどう考えるか。
◇方向性
○ 介護保険の訪問介護における先例も参考にしつつ、当該暫定措置の段階的な廃止に向けて、サービス提供責任者の保有資格や居宅介護職員初任者研修課程修了者が作成する計画に基づくサービス提供の実態も踏まえて検討してはどうか。
■重度訪問介護に係る報酬・基準
【論点】運転中における駐停車時の緊急支援の評価について
○ ヘルパーが運転する自動車で障害者を移送する場合に、利用者の求めや体調の変化等に応じ緊急的に駐停車して、喀痰吸引などの医療的ケアや体位調整、排せつの介護等の支援を行った場合の評価について、どう考えるか。
◇方向性
○ ヘルパーが運転中の移動時間を報酬算定の対象とすることは認められないものの、ヘルパーは安全運転の遵守義務を負っている一方で、障害者に対して適時適切に必要な支援を行わなければならない責任も負っていることから、運転中における駐停車時の緊急的な支援を行った場合、その緊急性や安全管理等を報酬上評価してはどうか。
■同行援護に係る報酬・基準
【論点】従業者要件の経過措置について
○ 盲ろう者向け通訳・介助員は同行援護従業者養成研修を修了したものとみなす経過措置を延長すべきか。
◇方向性
○ 同行援護従業者の人材確保の観点からも、同行援護従業者養成研修カリキュラムと盲ろう者向け通訳・介助員の養成カリキュラムを精査し、適切な免除科目を設定する必要があることや、盲ろう者が盲ろう者向け通訳・介助員(経過措置対象)による支援を受けている実態があること等も踏まえて、当該経過措置を延長することとしてはどうか。
○ その際、盲ろう者向け通訳・介助員の同行援護従業者養成研修の受講期間も考慮しつつ、延長期間は次の報酬改定まで(令和5年度末)を目途とし、あわせて同行援護従業者養成研修カリキュラムの充実や、盲ろう者向け通訳・介助員養成カリキュラムとの間の適切な免除科目の設定を検討することとしてはどうか。
■行動援護に係る報酬・基準
【論点】従業者要件等について
○ サービスの質の確保に留意しつつ、従業者要件等の経過措置についてどのように考えるか。
◇方向性
○ 令和元年度に実施した調査では、前回の調査よりは減少しているものの、21.2%の従業者が経過措置対象者であり、そのうち11.8%が行動援護従業者養成研修課程の修了予定がないことから、障害福祉人材の確保が困難である状況や新型コロナウイルス感染症の影響も踏まえ、従業者要件等の経過措置を延長することとしてはどうか。
○ その際、延長期間は次の報酬改定まで(令和5年度末)を目途とし、行動援護従業者養成研修課程を当該期間までに修了させるよう市町村等へ周知・徹底を図ることとする。
○ また、平成28年度報酬改定調査では93.6%の行動援護事業所が当該資格取得要件を認識しており、経過措置を設定してから6年が経過することから、令和3年度以降新たに介護福祉士や実務者研修修了者等の資格を取得する者は、当該経過措置の対象外とすることを検討してはどうか。
■重度障害者等包括支援に係る報酬・基準
【論点】対象者要件について
○ 現場の実態を踏まえ、「寝たきり状態にある者」に係る対象者要件についてどう考えるか。
◇検討の方向性
○ 支援を必要とする者へサービス提供を行う公平性の観点からも、「寝たきり状態にある者」に係る対象者要件について、「寝返り」だけでなく「起き上がり」、「座位保持」についても考慮する方向で検討してはどうか。
一応これで全体的な課題や方向性等が示されたこととなりますが、今後これらに視点から再度整理されていくこととなります。
