JDがウクライナ問題で緊急声明を配信!戦争反対の大きな世論を!
戦争は許せない! 戦争反対の大きな世論を!
~JDがウクライナ問題で緊急声明を配信!~
新型コロナ禍で、再三にわたる蔓延防止期間の延長で、大阪などでは、その対応に日々追われる状況や、医療へのアクセスが本当に困難な状況が続き、先の見えない不安が増大しています。
こんな中ですが、ウクライナでは、ロシア軍の侵略というとんでもない事態が発生し、世界中がこうした暴挙に対する様々な動きが世間を騒がせています。
私たちは、「戦争と障害者」という課題を長い間、議論し「平和の大切さ」を訴えて来ましたが、今回のウクライナの問題は、決して他人事ではありません。また、こうした事態が、今後議論が進められようとしている「憲法改正」にも大きな影響を与える可能性もあり、他人事ではなく、今こそあらゆる戦争に対し、明確な態度を示していくことが大切です。
この問題について、2/24には、「欧州障害者フォーラム」が緊急声明、「ウクライナにおける障害者の保護と安全」を配信、「特に、女性、子供、盲人、盲ろう者、精神社会的、知的障害のある方、高い支援ニーズを持つ方など、最も危険にさらされている方には注意が必要です。
今日、我々はヨーロッパの土壌上の本格的な紛争を目撃します。ウクライナの状況のエスカレーションに伴い、欧州障害フォーラムは、すべての障害者の保護と安全を確保する責任を国に緊急に呼びかけます。」等の配信を行っています。
また、JD(日本障害者協議会)は、2/28に緊急声明を配信しました。
以下ご紹介をします。
【緊急声明】
ウクライナへの軍事侵攻は即時停止を、戦争反対です
認定NPO法人日本障害者協議会(JD)
代表 藤井 克徳
2月22日の進攻に始まったウクライナへのロシアによる侵略は、非人道的で理不尽であり、断じて許せません。それぞれの国の主権は武力で脅かされてはなりません。日本政府は、全世界の人びとが「平和のうちに生存する権利」を宣言した日本国憲法に基づき、ウクライナへの軍事侵攻を即時中止するよう、ロシアに強く求めることが必要です。
戦争は、いのち、人権を奪い、多数の難民を生み出し、民主主義や経済を危うくします。この瞬間も、おびただしい数の障害者と家族が戦禍に巻き込まれています。障害のある人にとって、「障害発生の最大の原因は戦争による暴力です」「戦争と障害者のしあわせは絶対に両立しません」。これは人類の歴史の教訓です。
欧州障害フォーラムは、2月24日、ウクライナの270万人の障害者の安全を危惧し、障害者権利条約第11条(危険な状況及び人道上の緊急事態)から「ウクライナにおける障害者の保護と安全」を訴えました。
一方、ウクライナには重大な事故を起こしたチェルノブイリ原発があります。すでに軍事占拠されたと報じられていますが、この侵攻を原発や核兵器を巻き込んだ核戦争にさせてはなりません。
地球はつながっています。私たちを含め、世界中への深刻な影響が懸念されます。
人権と平和を守ることを宣言した国際障害者年(1981年)を機に私たちJDは結成されました。いまこそ平和と民主主義を求めるウクライナの人びと、世界の障害関係者と連帯して、こころから訴えます。
NO WAR! 戦争反対!
たしかに現状の中で、日々に追われるときではありますが、この戦争ですでに発生し始めている多くの被害者(子どもたち)を決して見捨てることは許されません。
今、この「戦争反対」の大きな世論を世界に届けていくことが緊急に求められています。
声のあげ方はいろんなところで、提起されています。
ぜひこうした呼びかけに対し、いまできることを考えて声をあげていくことが本当に大切な時となっています。
旧優生保護裁判でも上告断念要請
合わせて、先の2/22の優生保護訴訟大阪高裁判決を受けて、JDは、声明を発表するとともに、国に対し、「上告断念」の要請書を提出しました。
【高裁判決声明】
優生保護法訴訟大阪高裁判決に対する声明
認定NPO法人日本障害者協議会(JD)
代表 藤井 克徳
2月22日の優生保護法訴訟大阪高裁判決では、原告側の主張が認められ、国に対し、賠償命令が下されました。優生保護法による被害は消えないけれど、やっと声が届いた、思いが通じた、と全国から喜びの声が響き渡っています。
今もっとも重要なことは、被告である国が最高裁への上告を断念し、大阪高裁判決を確定することです。全国の原告や優生保護法被害者は高齢にあり、無念の中で亡くなられた方は少なくありません。原告らのいのちを賭けた司法への訴えを正面から受け止め、すべての優生保護法の被害者に対して、謝罪と十分な賠償、そして尊厳の回復を迅速に行うことが国の責務です。
太田晃詳(てるよし)裁判長は、長年にわたる優生保護法による強制不妊手術は、子どもを産み育てるかどうかを決める自由を奪い、強度の人権侵害であり、国が障害者への差別・偏見を助長してきたと断じ、日本国憲法13条、14条違反であることを認めました。さらに、優生保護法の立法を行った国会議員には過失があったこと、優生保護法の被害について除斥期間(被害を受けてから20年で国に対し被害を訴える権利が消失する)をそのまま適用することは、著しく正義・公平の理念に反する、としたのです。
これまでの、各地の地裁判決では除斥期間という大きな壁が立ちはだかり、原告らの訴えが退けられてきました。大阪高裁でやっと原告らの声が届き、司法が真正面から優生保護法被害を認めたのです。賠償額は、手術を受けた本人は1300万円、配偶者は200万円相当としました。2019年に制定された一時金支給法では、手術された本人のみに対する一律320万円の支給でした。優生保護法による被害がいかに低く見積もられたかも明らかになりました。
この判決は、大阪の原告だけではなく、全国の優生保護法被害裁判で闘っている原告や支援者にも大きな勇気を与えました。まさに待ちに待った判決でした。次に控える3月11日の東京高裁判決にも大きな影響を及ぼすことになるでしょう。
日本障害者協議会(JD)は、これからもこの裁判を応援し、優生保護法被害者の人権の復権に力を注ぎ、社会に広がる優生思想と対峙し、「すべての人の社会」の実現を目指します。
【上告断念の要請書】
優生保護法裁判・大阪高裁判決に関する上告断念の要請(2/25)
2月22日の優生保護法裁判・大阪高裁の判決は、私たちの期待を反映するものでした。政府におかれましては、自らの非を認め、何より高齢にある原告をこれ以上苦しめないために、大阪高裁の判決を全面的に受け入れてください。
最高裁判所に上告されませんよう、強く要請いたします。
認定NPO法人日本障害者協議会(JD)
代表 藤井 克徳
※あて先は、以下の通りです。
・内閣総理大臣 岸田 文雄 様
・法務大臣 古川 禎久 様
・厚生労働大臣 後藤 茂之 様
この問題でも上告期限が3・8ということもあり、緊急の対応が求められます。
コロナ禍であっても、現在起こっている出来事を冷静に見つめ、必要な対応を怠らないことが大切です。
