大阪障害者センター 壁ニュース

歴史的な選挙戦!2019参議院選挙がスタート!~消団連公開質問状・回答~

「壁ニュース」テキスト版 2019/07/04

歴史的な選挙戦!しっかりとした選択を!
~2019参議院選挙がスタート!

 2019年の参議院選挙は、7月4日公示、同21日投開票となり、いよいよ選挙戦がスタートします。
 今回の選挙では、消費税増税問題、安心な年金制度、憲法改定等直接私たちの暮らしに直結する課題が論戦として掲げられ、与野党の論戦等が展開されていくこととなります。
 障害者分野の課題等も現在、JDが公開質問状を各政党に提起し、その回答の公表を予定しています。
 具体的課題での政党の主張をしっかりと精査し、自分たちの思いを託せる政治の在り方を選択することが大切な時となっています。
 現在、大阪では大阪消団連が、いち早く公開質問状を送り、その内容を公表しています。
 ここでは、この公開質問状の一部を紹介します。

【消団連公開質問状・回答】

1.消費税10%増税問題について
○自由民主党
①予定どおり2019年10月から実施するべき
 幼児教育・保育の無償化など社会保障の充実や財政健全化により、お年寄りはもちろん、子どもたち、子育て世帯など全ての世代が安心できる社会を実現するため、消費税率10%への引上げは、必要なものと考えています。
 引上げに当たっては、前回の経験を活かし、ポイント還元、低所得・子育て世帯向けプレミアム付商品券、住宅や自動車購入への予算・税制上の支援といった十二分の対策を講じ、経済への影響を乗り越えてまいります。

○立憲民主党
④10月増税を中止するべき
 アベノミクスの失敗によって、貧困・格差拡大、雇用の不安定化、年金不安などが深刻化し、将来への不安が高まっている。このような時期に消費税率を引き上げることには反対。目先の「財政再建」のために消費を減退させ、経済を冷え込ませれば、長期的にはかえって持続可能な財政運営が困難になる。

○国民民主党
③時期を決めずに実施を凍結するべき
 議員定数削減も果たされないまま、高所得者が得をする軽減税率や一部の人だけが得をするポイント還元を伴う、今回の消費税引き上げには反対する。
 社会保障財源の確保は必要ですが、消費拡大による景気回復を十分に果たさなければ、消費税引き上げを行うべきではない。引き上げの前には先行して子育て支援拡充を行うべき。

○公明党
①予定どおり2019年10月から実施するべき
 本格的な少子高齢化・人口減少社会の到来を前に、持続可能な全世代型社会保障制度の構築は喫緊の課題。その財源として消費税の果たす役割は重要で、2012年に民主、自民、公明の3党が合意し、医療、介護、年金に加えて「子育て支援」に消費税収が充てられることになった経緯がある。今年10月からの教育無償化を支える財源として活用するとともに、痛税感を和らげる軽減税率をはじめ景気を落ち込ませない対策に全力を挙げる。

○日本維新の会
③時期を決めずに実施を凍結するべき
 議員自らが、身を切る改革を実施して、行財政改革を進めて歳出を減らすことが先である。つまり、議員報酬3割削減、議員定数の削減を断行する。社会保障に金が必要だから増税を求める政府のやり方には賛成できない。また、昨年始まった米中貿易戦争の影響が世界中で出ている。消費税を増税する時期としては最悪である。

○日本共産党
④10月増税を中止するべき
 前回の8%増税を契機に家計消費が減り、労働者の実質賃金も下がり、景気の悪化が現実になっています。内閣府が発表した今年③月の景気動向指数は6年2か月ぶりに悪化し、4月も連続の悪化と発表されました。こんな時に5兆円にものぼる消費税増税を家計と消費に押し付けることは、あまりにも無謀です。政府高官が4月に「崖に向かってみんなを連れて行くわけにいかない」と増税中止を示唆する発言をしました。中止は可能です。

○社会民主党
④10月増税を中止するべき
 消費税は低所得者ほど税負担率が重い「逆進性」の高い税金です。そこで対策を打つと言うが、複雑になり、矛盾の解決にならない。

2.国民の生活について
※略

3.温暖化防止、原発・エネルギー問題について
○自由民主党
①長期戦略及び温室効果ガス削減目標は適切である
 同戦略は、最終到達点としての「脱炭素社会」を掲げ、それを野心的に今世紀後半のできるだけ早期に実現することを目指すとともに、2050年までに80%の削減に大胆に取り組むこと、また、そのためにビジネス主導の非連続なイノベーションを通じた「環境と成長の好循環」を実現していくこと等を掲げており、1.5℃努力目標を含むパリ協定の長期目標の実現にも貢献する野心的な戦略であると考える。

○立憲民主党
②長期戦略及び温室効果ガス削減目標は適切でない
 やはりIPCCの特別報告書の目標水準を追求する必要がある。高い目標を掲げることによって、産業界にも省エネ投資、再生エネルギー開発など二酸化炭素排出削減に対する強いインセンティブを与えることができる。また、二酸化炭素排出削減を口実にした原発建設・再稼働を許してはならないことは当然であり、早期の原発ゼロをめざすべき。

○国民民主党
②長期戦略及び温室効果ガス削減目標は適切でない
 あらゆる政策資源を投入し、持続可能なエネルギー社会を目指す。パリ協定を推進するために、徹底した省エネルギーと再生可能エネルギーの導入により2030年までに1990年比30%以上の削減を目指すべきである。

○公明党
①長期戦略及び温室効果ガス削減目標は適切である
 脱炭素目標を示したのは先進7カ国の中で日本が最初であり、温暖化防止に対する本気度を示すものと評価する。そして、再生可能エネルギーを「主力電源化」することが明記されたことも重要だ。その意味で、政府の第5次エネルギー基本計画で示された国内における再エネ普及率の目標「2030年度に22~24%」は、引き上げも検討すべきと考える。温暖化による気候変動の脅威が迫る中、官民挙げた実効性ある取り組みが急務である。

○日本維新の会
①長期戦略及び温室効果ガス削減目標は適切である
 温暖化問題は最優先に取り組まなければならない重要事項である。日本は、世界の環境改善を強く推進できる技術を持ちながらも、これまで政府の姿勢が曖昧であったために本格的に取り組まず、却って世界から非難を受けてきたという現状がある。政府が旗振り役をして、全産業界に対し指導していくことになるのであれば、支持をしたい。そうでなければ、追及をしていきたいと考えている。

○日本共産党
②長期戦略及び温室効果ガス削減目標は適切でない
 「長期戦略」では、世界第5位の温室効果ガス排出国である日本が「リーダーシップをとる」との安倍首相発言に反します。①2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロ、②2030年までに電力の4割を再生可能エネルギーでまかなう、③省エネ・節電の徹底と再生可能エネルギー大幅導入、④電力会社による再生エネルギー「買い取り拒否」などをやめさせ、家庭や市民共同のとりくみに適正な買い取り価格の保障、などのとりくみが必要です。

○社会民主党
②長期戦略及び温室効果ガス削減目標は適切でない
 地球環境の保護、二酸化炭素の排出削減はまったなしである。省エネと再生可能エネルギーの促進、農林水産業の再生、コントロールが難しく、被害も大きく、費用も大きい原子力発電からの脱却で、持続可能な社会をつくる。

4.憲法改正について
○自由民主党
①自衛隊の存在を明記した条項を追加するべき
 自衛隊の諸活動は、現在、多くの国民の支持を得ている。他方、自衛隊については、①合憲と言う憲法学者は少なく、②中学校の大半の教科書(7社中6社)が違憲論に触れており、③国会に議席を持つ政党の中には自衛隊を意見と主張するものもある。そのため、憲法改正により自衛隊を憲法に位置づけ、「自衛隊違憲論」は解消すべきである。

○立憲民主党
②自衛隊の存在を明記した条項を追加するべきではない
 そもそも日本国憲法には国の特定の組織の存在は明記されていないのに、自衛隊のみ存在を明記する必要はまったくない。また日本国憲法第9条は戦争の放棄を唱えた条文であり、そこに自衛隊の存在を明記する条項を追加する理由もない。

○国民民主党
②自衛隊の存在を明記した条項を追加するべきではない
 憲法9条をはじめとする現行憲法の条文について、論理的整合性、法的安定性に欠ける恣意的・便宜的な憲法解釈の変更は許されない。国が自衛権を行使できる限界を曖昧にしたままでは憲法9条に自衛隊を明記するべきではない。

○公明党
③その他 (まずは国会の場で丁寧に議論し、論点を整理すべき)
 現行憲法の国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義の3原理は、時代は変わろうと堅持すべき。その上で、新しい価値観や理念を付け加えることなどは否定しない。これが公明党の立場だ。憲法改正には国民投票を経ねばならず、国民の理解を得て、国会の場で与野党を巻き込んで議論を進めていくことが大前提だ。自衛隊の存在や活動については多くの国民が支持しており、今回の参院選の争点にするのは時期尚早と考える。

○日本維新の会
③その他 (自民党は、条文を確定させるべきだ)
 日本維新の会は、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置の3項目について条文を確定させて提案をしている。自民党は9条を改正したいのであれば、党として条文を確定させて提案すべきである。自衛隊の明記だけが9条の論点ではない。

○日本共産党
②自衛隊の存在を明記した条項を追加するべきではない
 自民党の改憲案は、戦力不保持と交戦権の否認を掲げた9条2項の後に、「前項の規定は、...自衛の措置をとることを妨げない」としたうえで書き込むものです。2項の制約が自衛隊に及ばなくなり、2項は「死文化」し、海外での無制限の武力行使が可能となります。また、自衛隊の行動を「法律で定める」と明記し、ときの政府と多数党の一存で、これまで出来ないとされていた自衛隊の行動を無制限に拡大できる仕掛けになっています。

○社会民主党
②自衛隊の存在を明記した条項を追加するべきではない
 日本の戦争責任の代償として約束した平和憲法、自衛隊が存在するとしてもそれを変えることは、危険である。まして、「新安保法制」のもとで、自衛隊の海外派兵を可能にした中で変えることは、平和憲法を台無しにする。

 JD等の公開質問状等の回答が公表され次第ご紹介しますが、ぜひ皆さんの暮らしや、政策にも直結する大切な選挙です。
 ぜひよくよく論戦の内容に注目しながら賢明な選択を行うことが大切です。何よりも一人一人の思いを込めてぜひ投票を行うよう呼びかけます。