大阪障害者センター 壁ニュース

新型コロナ対策踏まえ、避難所マニュアルの改訂!~早急に各自治体で検討を!~

「壁ニュース」テキスト版 2020/06/05

新型コロナ対策踏まえ、避難所マニュアルの改訂!
~内閣府からの提案を早急に各自治体で検討を!~

 新型コロナ対策は、第二次補正予算等の編成など、「緊急事態宣言」解除後の対応が進められていますが、結局、障害関係についての十分な対応が混迷を深める中で、第二波の感染拡大も予見される状況が続いています。
 ただ、今後教育活動の再開や経済活動の再開等も大きな課題を残したままの状況で、不安の解消にはつながらない状況が続いています。
 一方こんな中、全国各地で震度4程度の地震が続く状況や、梅雨入りを前に、大規模災害の時期を迎えることとなります。
 こんな中、早くから「避難所における感染症対策の緊急の手立て」を望む声も出されています。
 ただ、今年度は、新型コロナ対策で自治体の一部備蓄品の排出などもある中で、その対策を含め、今後の災害対策をどうしていくのかが問われています。
 こんな中、内閣府は、4/7「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」の事務連絡を配信しています。
 ただ、現在コロナ対策に追われる自治体が、こうした通知を含め総合的のどのような対策を講じられるのか、待ったなしの状況として総合的な検討が進められるよう働き崖を強化していく必要があります。
 何より、東日本大震災の時の障害者・家族脂肪率の高さなども含めると、早急な課題となります。
 しかし、今回の新型コロナ対策でも、医療機関での対応で障害者が家族責任や事業所責任で対応をもとめられる状況(隔離病院等での介護者なしの状況で対応できず、結局自宅やホーム待機が始動されたり、知的障害児がマスクや手洗いが困難という理由から、学校再開の際に混乱が生じる等)をみれば、今回の避難所対策でも障害者が排除されてしまうようなことも十分考えられます。
 緊急に、各自治体へも今後の対策の方向性を確認するなどの取り組みが求められます。
 この留意事項は以下の通りです。

【避難所における新型コロナウイルス感染症として、当該通知の内容を補充するための留意事項】
(可能な限り多くの避難所の開設)
・発災した災害や被災者の状況等によっては、避難所の収容人数を考慮し、あらかじめ指定した指定避難所以外の避難所を開設するなど、通常の災害発生時よりも可能な限り多くの避難所の開設を図るとともに、ホテルや旅館等の活用等も検討すること。
(親戚や友人の家等への避難の検討)
・災害時に避難生活が必要な方に対しては、避難所が過密状態になることを防ぐため、可能な場合は親戚や友人の家等への避難を検討していただくことを周知すること。
(自宅療養者等の避難の検討)
・自宅療養等を行っている新型コロナウイルス感染症の軽症者等への対応については、保健福祉部局と十分に連携の上で、適切な対応を事前に検討すること。
(避難者の健康状態の確認)
・避難者の健康状態の確認について、保健福祉部局と適切な対応を事前に検討の上、「避難所における感染対策マニュアル」※における症候群サーベイランスの内容も参考として、避難所への到着時に行うことが望ましい。
・また、避難生活開始後も、定期的に健康状態について確認すること。
※ 避難所における感染対策マニュアル 2011年3月24日版平成22年度厚生労働科学研究費補助金「新型インフルエンザ等の院内感染制御に関する研究」研究班(主任研究者 切替照雄)作成
(手洗い、咳エチケット等の基本的な対策の徹底)
・避難者や避難所運営スタッフは、頻繁に手洗いするとともに、咳エチケット等の基本的な感染対策を徹底すること。
(避難所の衛生環境の確保)
・物品等は、定期的に、および目に見える汚れがあるときに、家庭用洗剤を用いて清掃するなど、避難所の衛生環境をできる限り整えること。
(十分な換気の実施、スペースの確保等)
・避難所内については、十分な換気に努めるとともに、避難者が十分なスペースを確保できるよう留意すること。
(発熱、咳等の症状が出た者のための専用のスペースの確保)
・発熱、咳等の症状が出た者は、専用のスペースを確保すること。その際、スペースは可能な限り個室にするとともに、専用のトイレを確保することが望ましい。
・同じ兆候・症状のある人々を同室にすることについては、新型コロナウイルス感染症を想定した場合には、望ましくない。やむを得ず同室にする場合は、パーティションで区切るなどの工夫をすることが望ましい。
・症状が出た者の専用のスペースやトイレは、一般の避難者とはゾーン、動線を分けること。
・避難所のスペースの利用方法等について、事前に関係部局や施設管理者等と調整を図ること。
(避難者が新型コロナウイルス感染症を発症した場合)
・新型コロナウイルス感染症を発症した場合の対応については、保健福祉部局と十分に連携の上で、適切な対応を事前に検討すること。
※「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(平成25年8月(平成28年4月改定)内閣府(防災担当))において、「感染症を発症した避難者の専用のスペースないし個室を確保することが適切であること」と記載しており、また、「避難所運営ガイドライン」(平成28年4月 内閣府(防災担当))において、「感染症患者が出た時の部屋を確保する」と記載しているが、新型コロナウイルス感染症の場合は、軽症者等であっても原則として一般の避難所に滞在することは適当でないことに留意すること。

※分散避難
 災害のおそれがあるときに、これまでのように「避難所」に多くの人が密集すると、新型コロナウイルスの感染が広がるリスクがあります。これからは、「避難所」への避難以外にも、「親戚・知人宅」「ホテル」「在宅避難」「車中泊」などさまざまな避難先に、地域の人たちが分散して避難することが大切です。

※車中泊
 震災後の車中泊では病気の無い被災者でも肺塞栓症を多数発症し死 亡もあったことから、新型コロナウイルス感染者が車中泊をすると肺塞栓症の 危険性がより高くなると考えられます。また、現在日本中で多くの無症状の新型 コロナウイルス感染者がいる可能性があり、無症状の感染者からも伝搬するこ とから誰もが感染する可能性があると考えられます。そこで今は、できるだけ車 中泊は避けていただくようにお願いいたします。またやむを得ず車中泊を選択 される場合には携帯電話などで連絡がすぐ取れるようにする、なるべくフラッ トな状態にして足は下げないようにする、定期的に運動する(歩く)、水分のこ まめで十分な摂取、ふくらはぎのマッサージ、可能なら弾性ストッキング(手術 後に使うものなど)や着圧ソックス(ふくらはぎと足首の圧が記載あるもの)の着用などを行い、もしも車中泊中に体調が変化した場合は速やかに家族などに 連絡し、車中泊を中止して医療機関受診などをお願いいたします。
(避難所・避難生活学会)

大阪府対策マニュアルを公表
 大阪府は、6/3「避難所における新型コロナウイルスの感染防止対策マニュアル」を策定し公表しました。
【主要な内容】
〇適切な避難所運営につなげていけるよう新たに策定
・可能な限り多くの避難場所を確保
 自宅療養者、濃厚接触者及び一般の避難者を区分した避難所や避難スペースの確保、各避難所でも身体的距離を確保し3密を回避するためのスペースが必要となる。
※できるだけ分散し、密にならないようにしていく
・自宅療養者と濃厚接触者については保健所から事前に説明
・避難者は「マスク、体温計、消毒液などを非常用品に組み込んで」
※7月以降に市町村と連携しながら訓練実施

 現在でも、障害者関係の災害対策は、様々な問題を持っていますが、今後こうした新マニュアルの改訂で、各自治体が新たな対策を講じていくこととなりますが、改めてこうした対策で障害者・家族が混乱を起こさないよう早急に各自治体等の動きや対応に注意して、必要な要請を緊急に行っていくことが求められます。
 また、いざというときどうするのかも含め、各家庭等でもしっかりその対応を検討しておくことも大切です。