大阪障害者センター 壁ニュース

旧優生保護訴訟、大阪高裁で逆転勝訴!~最高裁での上告判決に大きな弾み!~

「壁ニュース」テキスト版 2024/01/30

旧優生保護訴訟、大阪高裁で逆転勝訴!
~最高裁での上告判決に大きな弾み!~


 旧優生保護法に基づく不妊手術を強制されたとして、聴覚障害のある夫婦が国に賠償を求めた裁判の控訴審で、大阪高裁は1.26、一審判決を取り消し、国に計1320万円の賠償を命じました。国に賠償を命じる高裁判決は全国で6例目です。
 大阪府に住む聴覚障害のある70代の夫婦は、旧優生保護法に基づく不妊手術を強制されたとして、国に計2200万円の損害賠償を求めています。
 争点は、不法行為から20年で損害賠償を請求できる権利が消滅する「除斥期間」です。
 同様の訴訟が全国各地で起こされている中、2022年2月に初めて国に賠償を命じた大阪高裁の判決では、「国が障害者への差別や偏見を正当化し助長してきたので原告らは裁判を起こすことが著しく困難だった。そのため、除斥期間の適用をそのまま認めるのは正義・公平の理念に反する」として、提訴できるようになってから6か月間は「除斥期間」が適用されないと判断しました。
 大阪地裁は一審で「除斥期間」について同じ判断をしましたが、夫婦は提訴できるようになったと判断される時点から約2年後に提訴していて、6か月を過ぎていたと指摘し、原告らの訴えを退けました。
 原告の妻は一審の直後に行った会見で「裁判を訴えようとしたが、すぐにはできなかった。裁判所には痛みをわかってほしかった」と胸の内を明かし、その後、控訴していました。
 26日の判決で大阪高裁は「訴訟を起こし立証するためには診断書が求められるが、夫婦が専門医を探しても40の病院で断られその間の提訴は著しく困難。診察を受けられてから提訴が可能になったと考えると6か月以内に提訴している」として原告側の訴えを認め、一審判決を取り消し国に賠償の支払いを命じました。
 一連の訴訟は2018年1月に仙台地裁で初めて提訴されたのを皮切りに、現在まで11都道府県で38人が訴えを起こしています。
 これまでに大阪、東京、札幌、仙台で計5例の国に賠償を命じる高裁判決が出ていますが、いずれも国が上告し最高裁が受理しています。
 この判決をうけて、同日「優生連」は報告集会を開催しました。

【報告集会】
1,原告・運動団体からの報告
・原告・支援団体からの報告、発言
※京都・滋賀・和歌山・兵庫等から
※森:実態をしるために、原告等から、資料からその実態を知ること。手術の理由を報告していたはず、手術の記録がない、その記録は全国で3000人、その文章は結局黒塗り。滋賀で裁判、8割公開ということではと控訴中。ここで勝てば、明らかにできる。

2,加山高裁判決の解説と今後の戦い
・大阪弁護団:安枝弁護士
【今回の判決】
・ご夫婦の請求を認めた。違法性、憲法違反、体に関する権利侵害にも触れられた。額は、請求額の引き下げで認める。損害賠償の期間は20年だが、諸種の事情で民法上の権利喪失は認められない。地裁の判決の限定ではなく、柔軟な対応が必要。裁判を起すことが非常に難しい内容について指摘し、救済を認める内容。個別の被害者の状況に応じて拡大できる内容。
 今後は、上告もあるので状況は見ていく必要がある。ただこの判決の意義は大きい。
前回敗訴だが、今回の勝訴への支援。
・磯野・大聴協:今日の裁判は勝利おめでとう。各地の裁判も勝利したい。交流会に参加し、聴覚障害者も多かった、普通の生活を奪った法律があったことを知り、裁判の意義を再度確認した。私たちの知らないことも多かったが、その内容を実感したし、この解決をはかることが必要と感じた。全国各地の裁判に広げたい。
・原告・加山さん:この勝利は皆さんのおかげ、他の裁判にもつなげたい。

3,行動提起等
・福岡原告・朝倉:勝訴判決を聞いてうれしい。判決は5.30もう少しで判決です。
本当に長い闘い、主人は亡くなって一人で戦ってきた、みんなの支えがあったから。判決聞いて自信を持って臨みたい。
・福岡原告:日田・福岡支援する会:山本・JⅠL:山本・DPI:村田・ろうあ連盟:大竹・JD:藤井・新里:全国弁護団:良い影響があるがまだ訴えられない人も多い、一刻も早く救済したい。国連でも勧告される状況も。一時も早い解決を。最高裁判決に向けて100万人署名を!障害者の運動に新しい頁をつくる運動の意義、実態を記録に残し、若い世代に伝えていくことも大切!6勝1敗、判決が進化している。情報が入りにくい障害者の実態を求めた判決、大きなエールを与えている。人権侵害の実態と謝罪と救済を認めるかどうかを問うた裁判、時間で逃げ切ると考える政府、この姿勢を許さない。全面解決へのエネルギー、市民社会へのアピール、障がい者問題の解決という意義、国に上告をさせない、最高裁に100万署名を届けることが大切。・記者会見では、「国が謝罪する時期が来た」「最高裁は大法廷の意義(憲法問題、最終判断)」今日の判断につなげた意義。徳田長官退任8月、6か7月の時期が濃厚。38人中5人が死亡。それまでに総理の謝罪を!国会議員も注目している5年延長ではない解決を。
・優生連事務局・松本:行動提起:優生問題はまだ解決していない、その解決のため、もっと多くの人に知ってもらうこと、100万名署名がその一つ。前の何十倍も届けたい、国は最高裁判決を待ってというが、早期解決のため、3.21集会の成功を!
・辻川:大阪弁護団長:本日は本当にうれしい。本当に準備は大変だった。でもそのスティグマの大きさを実感したが、やっと裁判所がその中身を認めてくれた。

【大阪弁護団声明】
旧優生保護法訴訟判決に関する声明
    令和6年1月26日
旧優生保護法大阪訴訟弁護団

 本日、大阪高等裁判所第4民事部により、旧優生保護法に基づいてなされた優生手術等に対する国家賠償請求訴訟の控訴審判決(以下「本判決」
という。)が言い渡された。
「主文 原判決を次のとおり変更する。」阪本裁判長はそう静かに判決の読み上げを始めた。
 判決は、原判決を全面的に改め、1審原告らの請求を認めた。
 本判決は令和4年2月22日の大阪高裁判決を概ね踏襲しつつも、主として提訴の困難性について優生手術の被害者を取り巻いていた社会的な
境遇や当事者の個別具体的な事情をつぶさに検討し、除斥期間の適用を制限した画期的かつ字義通り血の通った判断であり、司法府の役割をまさに全うしたものと言える。
 判決理由からは、国の不合理な主張を一蹴し、原判決の問題点にも目を向け、令和4年2月22日の大阪高裁判決の判断を深化させようとした姿勢が見える。
 総じて、司法府として「一歩前へ出た」適切な判断を示したものであり弁護団として高く評価するとともに一刻も早い被害の救済と全面的な解
決を願ってやまない。
 大阪弁護団としては、今後もすべての被害者が救済されるまで、不断の努力を続ける所存であり、すべての被害者らとともに全力で闘うことを、
改めてここに表明する次第である。

 なお、「優生連」「全国弁護団」は、他の訴訟の上告を受けて、最高裁での適正な判断を求めるとともに、早期の解決を求めて、政府や議連等に対しても政治的解決を求める取り組みを強化するために、
100万名署名・3.21集会の成功に向けて、幅広い世論構築を呼びかけています。